歴史は不測の事態

アメリカで市民権を申請する移民に課される歴史のテストを、無作為抽出した一般のアメリカ人に受けさせたところ、なんと38%が不合格になりました。高校で必修科目になっているにもかかわらず、なぜアメリカ人はこんなに自国の歴史を知らないのでしょう。筆者によると、その原因は教科書にあるということです。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

The problem is that they are (b  ). In their efforts to be both comprehensive and politically correct, the author committees lose any notion of an overarching  (na    )structure.
(問題は教科書がつまらないということだ。包括的かつ差別的でないよう努める中で、執筆委員会は何よりも大切な物語性の構造という観点を見失っている。)

つまり、粗雑に書かれているのではなく、あまりに気を使い過ぎて小説が持っているような、わくわくした物語性が無いということです。

そもそも歴史なんてそんなものではないの、と思っている人もいるでしょう。しかし、フランクリン・ルーズベルト大統領が第二次大戦中に大統領でなかったらという事実と反する状況を背景に小説を書いたPhilip Roth氏によると、

“歴史は不測の事態” の続きを読む

中国人の心を支えるもの

バックに子供たちが何かを唱える声が聞こえます。何をしているのか説明を聞いてみましょう。

Students are reciting the sayings of ( A ) at the school in Beijing. Until a few years ago, you would never have seen this in Communist China. But now the government is ( B ) these ancient Chinese traditions.
(生徒たちが北京の学校で孔子の教えを唱えている。数年前まで、こんな光景は共産主義国中国では決して見られなかっただろう。しかし今政府がこの古代中国の伝統を復活させている。)

そうです。我々日本人にも「子曰く…」で御馴染みの孔子です。二千年以上も昔に孔子が開いた儒教は、長い間中国王朝時代の人心を支え、まとめる役割を果たしてきましたが、毛沢東が共産主義政権を樹立した際、古い脆弱な中国の遺物として孔子の教えを撲滅しようとしました。それが、

“中国人の心を支えるもの” の続きを読む

人類最初のファッション

人類が衣服を着用するようになったのはいつ頃だと思いますか。最近、従来の考古学の調査結果よりはるかに古い時期に人類が衣服を着用し始めたとする研究が発表されました。(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]According to new research from the University of Florida, a study of the (e  ) of lice shows (m  ) (h  ) first began wearing clothing about 170,000 years ago.
(フロリダ大学の新しい調査によると、シラミの進化研究が、約17万年前に現生人類が初めて衣服を着始めたことを示している。)

何故シラミの進化を調べると人類が衣服を着始めた時期を特定できるのでしょう。それは頭ジラミという頭髪に寄生するシラミが衣シラミという衣類につくシラミに枝分かれした時期を見ればわかるのです。

“人類最初のファッション” の続きを読む

スパルタそれとも個の尊重?

子育ての方法はいつの時代も親を悩ませてきた永遠のテーマですが、最近ある中国系アメリカ人Amy Chuaさんが書いた子育て回想録が注目され議論を呼んでいます。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

In a pithy, take-no-prisoners style, Chua lets readers in on the secrets to raising children who will (va  ) their parents’ decision to bring them into the world by getting themselves (ad  ) to Ivy League colleges and invited to piano recitals at Carnegie Hall.
(簡潔で断固としたスタイルで、Chuaさんは子育ての秘訣を読者に明かしている。アイビーリーグの大学に合格し、カーネギーホールでのピアノリサイタルに招待されるようにすることで子供を作るという親の決断の正しさを証明するような子育ての秘訣である。)

アイビー・リーグの大学に入学したり、カーネギーホールでリサイタルを開くような優秀な子供が育つなら是非その子育て法を知りたいものです。ところがウォールストリート・ジャーナル紙に本の抜粋がでたところ、大変な反発を招いてしまいました。ではどんな内容だったのでしょう。

“スパルタそれとも個の尊重?” の続きを読む

もっと子供に教育を!

民主国家なら教育を受ける権利は全ての子供に与えられているはずです。ところが世界中を見渡してみると、教育を受ける機会が不十分であるところがたくさんあるようです。次の文を聞いてみましょう。

[空所A~Eを聴き取りましょう。]

Among 30 ( A ), we rank 25th in math and 21st in science. In almost every category we’ve ( B ).
(先進30ヵ国中、我々は数学で25位そして科学で21位である。ほとんど全ての分野で我々は遅れをとっている。)

これは公教育の問題を摘発し、その改革を促すために作られたドキュメンタリー映画中の台詞ですが、どこの国のことかわかりますか。なんと先進国中の先進国であるアメリカです。国家が豊かで民主的であっても、あるいはそれが進みすぎたせいか、初等・中等教育が行き届いていないようです。 “もっと子供に教育を!” の続きを読む

就職面接でしてはいけないこと

景気低迷で失業率が高止まりのアメリカで、ある就職斡旋サイトが求職中の人々にアドバイスを提供しています。履歴書を上手く書くことに加えて、冗談とも取れるような、就職面接でしてはいけないことを挙げています。まず、過去にこんなことを言った求職者がいたそうです。

One job seeker ( A ) bringing his ( B ) to work.
(ある就職希望者はペットのサルを職場に連れて来たいと主張した。)

職場にペットを連れて行くなど普通は考えないことですね。ましてや就職面接のときにそんなことを言えば、落とされるのは目に見えています。次の事例はどうでしょう。

Another’s e-mail address ( C ) the words “lovesbeer.”
(もうひとりの希望者のEメールアドレスには「lovesbeer」という言葉が含まれていた。) “就職面接でしてはいけないこと” の続きを読む

異人種間結婚の増加

人種のるつぼと言われるアメリカで人種が異なる人たちの間での結婚は当たりまえと思われるかもしれませんが、40年位前はまだそうではなかったようです。

[空所A~Eを聴き取りましょう。]

There’s ( A ) that I must tell you. This is John.
「他に言わなくてはならないことがあるの。こちらがジョンよ。」

これは “Guess Who’s Coming to Dinner” (1967年公開)という映画のワンシーンです。白人の女性が黒人の恋人を両親に紹介するのに非常に勇気が要る時代だったことを象徴するような話し方ですね。 “異人種間結婚の増加” の続きを読む

相撲界の行方は

野球賭博で揺れる日本の相撲界に関する英語のニュースを聞いてみましょう。

[空所A~Fを聴き取りましょう。]

Japan’s national sport is being ( A ) by ( B ) of gambling.
(日本の国技がギャンブル疑惑に揺れています。)

( B )に入る単語は辞書に「(十分な証拠のない)申し立て、主張」という定義で紹介されていることが多いようですが、要するに「何か悪いことをしたのではないかと疑われていること」ですから「疑惑、容疑」と理解しておくとよいでしょう。 “相撲界の行方は” の続きを読む

超高級携帯電話

ビバリー・ヒルズで行われた、有名人も参加したパーティーである携帯電話が紹介されました。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

It was (f  ) out of an 83-carat sapphire, platinum, black leather and rubies. And it (m  ) phone calls. Price tag: $70,000.
(それは83カラットのサファイア、プラチナ、黒皮そしてルビーで作られていた。そして電話ができる。価格は7万ドルだ。)

世界中のほとんどの国が景気後退に陥ったままで、各国で緊縮財政や増税が検討、実施されている昨今、こんなに高い携帯電話を買う人がいるのかと思ってしまいます。 “超高級携帯電話” の続きを読む

“English Only”

“English Only”、これは先日アメリカのアラバマ州の知事選候補者が出した選挙広告です。アメリカなら「英語のみ」というのは当たり前のように思えますが、この広告が論争を引き起こしています。広告の内容は次のようなものです。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]
Tim James, son of former two-term Alabama governor Fob James, Jr., says in the ad that he would (dr  ) the practice of giving the state drivers license exam in 12 languages (o  ) (t  ) English.
(ティム・ジェイムズ氏は、二期アラバマ州知事を務めたフォッブ・ジェイムズ・ジュニア氏の息子だが、州の運転免許試験を英語以外に12ヵ国語で実施するという慣行を廃止すると、広告の中で述べている。)

英語の国アメリカで、運転免許の試験が12もの外国語で行われていることは少し驚きですが、そうした現状に反対する広告が問題になるのは次のような理由からです。 ““English Only”” の続きを読む