スペースシャトルの終焉

1977年に始まったNASAによるスペースシャトル計画は、今年の7月8日に135回目の飛行にあたる最後のシャトルを飛ばして、その30年に及ぶ任務を完了しました。

[空所A~Fを聴き取りましょう。]
Over a three-decade history, five different shuttles have launched and ( A ) numerous satellites, conducted thousands of space science experiments, and served as a platform for ( B ) spacewalks to construct and service the $100 billion International Space Station.

(30年に及ぶ歴史の間、5機の異なるシャトルが数多くの人工衛星の打ち上げと回収を行い、何千もの宇宙科学実験を行い、総工費1,000億ドルの国際宇宙ステーションの建設、修理のため行う数え切れない宙遊泳の乗降口の役割を果たしてきた。)

このように宇宙開発のみならず、様々な科学的発展に貢献してきたスペースシャトル計画ですが、全てが順調だったわけではありません。1986年にはスペースシャトル・チャレンジャーが離陸してわずか73秒後に爆発・分解し、乗組員7名全員が死亡するという悲惨な事故がありました。また、ご記憶の方も多いと思いますが、以下の事故もありました。 “スペースシャトルの終焉” の続きを読む

中国のスモッグを減らすには

中国の目覚しい経済発展の副産物の一つとして大気汚染があります。北京を始め多くの都市が世界最悪にランクされていますが、今その解決法として注目されているものがあります。

[空所A~Eを聴き取りましょう。]

One possible answer was ( A ) at this year’s Shanghai Motor Show. These are electric and ( B ), cars which use both a normal petrol engine and an electric one.
(ひとつの可能性のある解決策が今年の上海モーターショーで大々的に示された。そこにあるのは電気自動車や通常のガソリンと電気エンジンの両方を使うハイブリッド車だ。)

電気自動車やハイブリッド車は先進諸国では盛んに開発され、特にハイブリッド車の売り上げは急速に伸びています。しかし、中国では、電気自動車はまだ価格も高く、ほとんど普及していません。業界のある専門家は次のように述べています。

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画期的な発電法

今回の原発事故の影響で、関東では計画停電があり、節電の対応に追われている日本人にとって、将来どのような方法で電力を確保するかは大きな問題となっています。もちろん世界中の問題でもあります。そんな中MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者が画期的な発電法を開発中です。(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

By (mi  ) the essential process that allows plants to produce energy, an MIT researcher has managed to create electricity out of water more efficiently than (co  ) solar cells, to the point where one and a half bottles of wastewater could power an entire house for a day.
(植物がエネルギー生成することを可能にするのに不可欠なプロセスを模倣することにより、MITの研究者が、水から従来の太陽電池より効率よく発電することに成功し、ボトル1.5本分の廃水で家一軒分の電気を一日まかなえるかもしれないところまできている。)

どうも植物の光合成を模して電力を得る方法のようですね。今原発に頼らない電力源として注目されている太陽光発電よりも効率がよいというのはとても魅力的です。しかも廃水ボトル1.5本分で一世帯の一日分の電気が賄えるなんて夢のような感じがします。もう少し仕組みを詳しく見てみると

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認知症への救世主

急激に高齢化社会となっている先進国にとって、アルツハイマーを含む認知症への対応は急務となっています。ところが、アルツハイマーは治療どころか診断さえ難しいのが現状です。この病気はアミロイドという物質が脳内に蓄積することが原因で起こると考えられていますが、特定の患者の脳にそれが実際に溜まっているかどうか調べることは今までできませんでした。そんな状況に一縷の望みができました。

[空所A~Eを聴き取りましょう。]

For the first time, a study shows that an imaging test can ( A ) what are called amyloid plaques in a person’s brain — an ( B ) protein always found in patients with Alzheimer’s disease.
(人間の脳内にあるアミロイドと呼ばれるプラーク(斑)を画像検査で検知できることを示す初めての研究結果が出ています。アミロイドはアルツハイマー病の患者に必ず見出される異常蛋白質です。) “認知症への救世主” の続きを読む

浸透膜発電

皆さんは「浸透圧」という言葉を覚えていますか。化学や生物の授業で一度は出会ったことがあるはずですが、この現象を使って電力を得ようという試みがノルウェイで行われています。

「浸透作用」は英語で osmosis と言いますので、それを使った発電は osmotic power (浸透膜発電)と呼ばれています。そのおおまかな仕組みは以下のようです。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

It( = osmosis)’s the (pa  ) of a liquid from a region where it’s highly concentrated through a semipermeable membrane to a region of lower concentration, raising the latter’s volume. The (b  ) of that rising volume is energy.
(それ[浸透作用]は液体が半透膜を通り、溶媒濃度の高い所から低い所へ通りぬけ、濃度の低い所の容量が増す現象である。そのような容量増加の副産物がエネルギーである。) “浸透膜発電” の続きを読む

コレステロールの改善薬

健康診断でコレステロール値が高いと指摘された方には朗報です。コレステロール値を劇的に改善する薬がアメリカで開発されたのです。従来の薬は悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロール値を下げるのが主な効能でした。ところが

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But that doesn’t ( A ) the risk of heart disease. Some doctors would tell you that ( B ) the good HDL cholesterol may be even more important.
(しかしそれでは心臓病のリスクを取り除くことにはならない。HDL善玉コレステロールを上げることの方がより一層重要だと言う医師もいる。) “コレステロールの改善薬” の続きを読む

中国のスーパーコンピューター

最近の中国経済の発展は目覚ましく、ついに日本を追い越して世界第二位の経済大国になるようですが、テクノロジーの分野でも目覚ましい躍進を遂げています。

[空所A~Eを聴き取りましょう。]

Well, China has ( A ) the U.S. in the race for the world’s ( B ) supercomputer.
(さて、中国が世界最大、最速のスーパーコンピューターの競争でアメリカを追い越しました。)

といようにテクノロジーのある分野ではアメリカを追い越しました。Tianhe-1Aという名前のコンピューターだそうですが、その計算速度は驚くほどの速さです。 “中国のスーパーコンピューター” の続きを読む

その熱、鼻水、咳の原因は…

段々寒くなると風邪をひきやすくなります。忙しい現代社会では、熱、鼻水、咳などの症状に苦しみながらも仕事を続けなければならいことも多いでしょう。この煩わしい風邪の症状を引き起こすのは当然風邪のウイルスと思いがちですが、実はそうではないようです。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

If you’re (k  ) (o  ) tamping down your own cold, “(b  )” your immunity may be the last thing you want to do.
(本当に風邪を抑えたいなら、免疫を「強化する」ことは最もやりたくないことかもしれない。)

この文に「?」と思った方は多いでしょう。風邪に限らず、病気一般に対抗するには免疫力を高める必要がある、と普通は考えます。ところが、 “その熱、鼻水、咳の原因は…” の続きを読む

Climategateの結末

皆さんはClimategateという言葉を聞いたことがありますか。地球温暖化について調査する科学者たちを巡るデータ捏造疑惑事件ですが、次のような経緯で起こりました。

[空所A~Fを聴き取りましょう。]

This was Climategate — thousands of e-mails ( A ) from the University of East Anglia server, ( B ) between scientists at the university’s influential Climate Research Unit.
(Climategateとは次のようなものだった。イースト・アングリア大学のサーバーから、多量のメールがハッキングされ、それはこの大学の影響力を持つ気候研究ユニットの科学者たちのやり取りだった。)

このようにして世の中に知れ渡ったメールの内容にさまざまな疑問が投げかけられました。その中でも科学者たちにとってダメージが大きかったのは次のようなメールです。 “Climategateの結末” の続きを読む

病原菌に対抗する方法

あらゆる抗生物質に耐性のある強力な菌が病院で広がっているという報道が日本で連日のように伝えられていますが、ニューヨークの科学者たちが殺菌効果のある塗料を開発したというニュースがありました。

[空所A~Fを聴き取りましょう。]

The researchers have developed a coating that ( A ) ( B ) with nanoparticles.
(研究者たちは酵素とナノ粒子を混合したコーティングを開発した。)

酵素は自然界にあるもので、生物の消化を助けたりバクテリアなどの病原菌を殺す働きをします。それに最先端テクノロジーのナノ技術を使って作った小さな粒子を混ぜ合わせ、それを塗料に加え物の表面に塗るという方法です。これは従来の消毒方法よりも殺菌効果が優れているとのことです。しかも化学薬品を使うわけではないので人体への害も無さそうです。すぐにも多くの病院で採用して欲しいものですが、ナノテクノロジーがまだ比較的新しい分野であるため、もう少し時間がかかるようです。研究者のひとりによると “病原菌に対抗する方法” の続きを読む