浸透膜発電

皆さんは「浸透圧」という言葉を覚えていますか。化学や生物の授業で一度は出会ったことがあるはずですが、この現象を使って電力を得ようという試みがノルウェイで行われています。

「浸透作用」は英語で osmosis と言いますので、それを使った発電は osmotic power (浸透膜発電)と呼ばれています。そのおおまかな仕組みは以下のようです。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

It( = osmosis)’s the (pa  ) of a liquid from a region where it’s highly concentrated through a semipermeable membrane to a region of lower concentration, raising the latter’s volume. The (b  ) of that rising volume is energy.
(それ[浸透作用]は液体が半透膜を通り、溶媒濃度の高い所から低い所へ通りぬけ、濃度の低い所の容量が増す現象である。そのような容量増加の副産物がエネルギーである。)

訳では液体を溶媒という言葉に置き換えましたが、溶媒とは、例えば塩水だと溶質(この場合は塩)を溶け込ませる液体のことですから水です。溶媒の濃度が高いというのは水分が多いということなので、真水と塩水を比べると真水は濃度が高く、塩水は濃度が低いことになります。普通「塩水の濃度が高い」というと塩分の多いものを指すので何だか逆な感じがして混乱しますね。つまり上で述べていることは、真水と塩水が隣り合っていれば真水が膜を通り、塩水の方に引かれて流れ込むということです。その時出るエネルギーつまり圧力を利用して発電機を回そうとするアイデアです。利点はいろいろあります。

(2)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

It’s a promising carbon-free (re  ) energy that could one day help marginalize fossil fuels. And unlike (in  ) wind and solar, osmosis would work around the clock.
(それはいつの日か化石燃料を隅へ追いやるかもしれない、二酸化炭素を排出しない将来有望な再生可能エネルギーだ。そして断続的な風力や太陽光発電と異なり、浸透膜発電は24時間作動する。)

うまく行けば、EUの年間電力消費量の半分を生み出すことができるかもしれないということです。しかし、真水と塩水を仕切る浸透膜の開発がなかなか難しいようです。膜は液体を分ける働きとそれをよく通す働きを同時に兼ね備えなければならないため、試行錯誤が繰り返されています。また、膜を開発する企業はまだ世界でほんの少数であることもネックとなっています。

ノルウェイのこの試みで興味を持つ人々が増え、研究開発への資金が集まれば、より速やかに実用化への道が開けるでしょう。筆者は、こうした思いをosmosisの働きに喩えて、面白く記事を締めくくっています。

(3)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

(I  ) (o  ) those ( = development funds) came through osmosis.
(浸透圧で資金がこちら側に流れて来てくれさえすればいいのだが。)

正解:
(1)passage / by-product
(2)renewable / intermittent
(3)If / only

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