不確実性の時代

アメリカに端を発する金融危機は、今や留まることなく世界中の株価を暴落させています。

1929年の世界大恐慌(Great Depression)に匹敵する規模の金融破綻だという声さえあります。今後どのような展開を見せるか、私たち一般市民は固唾を飲んで見守るしかない状況ですが、専門家たちは一連の動きと世界経済をどのように見ているのでしょうか。

Topsy-Turvy

これが世界の現状を表していると、この言葉をタイトルにして記事を書いた筆者は述べています。topsy-turvyは「あべこべの、逆さまの」という意味ですが、混乱の時代である今をうまく言い当てているかもしれません。こうした時代ではconventional wisdom(これまでの常識)が覆されています。例えば、今までだとアメリカ経済が景気後退すると大きな影響を受けていたダイヤモンド業界が、今年はかつてないほど好況です。アメリカ以外のemerging countries(新興国)やpetrodollar(オイルドラー)で潤う石油産出国で売り上げを伸ばしているからです。今回の金融危機にしても、今までなら1997年のアジア通貨危機のように発展途上国で起こっていたものです。20世紀を代表する経済学者ジョン・メイナード・ケインズはかつてこう言いました。[A、B、Cの括弧内に適当な一語を入れましょう。最初と最後の文字は指定してあります。]

A: “The ( i___e ) never happens. It is the ( u___d ) always.”
(「当然のことは決して起こらない。起こるのはいつも予想外のことだ。」)

では、予測のつかない中、自由主義経済が推進していきたグローバリゼーションはどうなるのでしょうか。筆者はグローバリゼーションにとってのマイナス面とプラス面を比較検討しています。マイナス面では、アメリカが今回破綻しそうな金融機関のいくつかをbailout(救済)したことで、アメリカは自ら標榜してきた自由主義経済から後退したこと、そして富が不均衡に分配されていることで、グローバリゼーションへの懐疑論が世界的に高まっている調査も指摘しています。

プラス面では、emerging countries は今後も成長し続け世界で台頭していくだろうし、実際に保護主義に走ろうとする具体的な動きはほとんどなく、アメリカ大統領選が終われば、WTO(国際貿易機関)自由貿易交渉において、

B: The current ( s___e ) over a new international trade agreement could be broken.
(新たな国際貿易協定を巡る現在のこう着状態は打開されるかもしれない。)

プラス面、マイナス面を考慮したうえで、筆者の結論は、

C: For the moment, at least, the ( b___g ) is still that globalization, like a diamond, is ( f___r ).
(少なくとも当面はまだグローバリゼーションはダイヤモンドのように永遠であろう。)

topsy-turvyな世の中でどうなるかわかりませんが、グローバリゼーションが一部の少数ではなく多くの人に豊かさをもたらす方向へ進んでほしいものです。

 

 

正解:
A: inevitable(避けられない、当然な)unexpected(思いがけない、予想外な)
B: stalemate(手詰まり、こう着状態)
C: betting(可能性、見込み)forever (永遠で)

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