ファーストフード店の王者、マクドナルド社と言えばアメリカを象徴する企業で、世界中で大いに幅を利かせているというイメージがあります。アジアの国、マレーシアにも多くの店舗がありますが、そこで一悶着ありました。
[空所A~Dを聴き取りましょう。]McDonald’s has been ( A ) in Malaysia.
(マクドナルド社はマレーシアで法的打撃を受けました。)
「法的打撃」ですから、裁判に関わったのかと想像しますが、その通りです。ちなみに打撃を「与える」にあたる動詞はdeal を使っています。deal someone a blowで「someoneに打撃を与える」ですが、これをsomeoneを主語にすれば、Someone is dealt a blowとなり、上のマクドナルドの文と同じ構造になります。
さて、裁判の経緯は次のようです。
For eight years, it’s been after a small curry shop called “McCurry,” ( B ) Malaysian chicken curry.
(8年間、マクドナルド社は小さなカレー・ショップ「マクカレー」を追いかけてきたが、その名はマレーシア風チキン・カレーの省略形である。)
この店名の頭に付いている “Mc” がマクドナルドの接頭辞と同じなので、混乱を招くとして、訴えたのです。マクカレー側はこう反論しています。
McCurry says it serves typical Asian-Malay cuisine and could ( C ) be confused with McDonald’s.
(マクカレーは典型的なアジア・マレー風料理を出しており、マクドナルドと混同することは決してないだろう、と言っている。)
上文の( C )に入る表現は文を否定する表現です。このようにnot以外の否定を表す表現も確実に意味が取れるよう注意しましょう。
裁判の結果ですが、マレーシア最高裁はマクドナルドの訴えを退ける判断を下しました。敗れたマクドナルド社は、
And McDonald’s, which has 185 restaurants there in Malaysia, says it will ( D ) the judgment.
(マレーシアに185店舗あるマクドナルド社は、判決に従うと言っている。)
そもそもハンバーガーとチキンカレーを間違える人はまずいないでしょう。判決は当然と言えるかもしれません。
正解:
A: dealt a legal blow
B: short for
C: in no way
D: abide by