臓器移植法の新展開

0907_04先ごろ、日本の国会で臓器移植法が改正されました。今までと今後を比較し、改正の背後にあるものを紹介する記事を見てみましょう。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]
Japan (l  ) a ban on organ donations from children, reversing a restriction that created such a (d  ) of small organs in the country that young patients were forced to seek transplants abroad.
(日本は子供からの臓器提供の禁止を解除し、これにより、若い患者が海外での移植を求めざるを得ないほど深刻な子供用臓器不足をもたらした制限が撤廃されることになった。)

今回の法改正はこのように、子供からの臓器提供を認めるものです。ここに至るまで日本の臓器移植法は西洋の潮流より少し遅れて進展してきました。まず、

(2)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]
Until 1997, Japan barred organ donations from even adults who were (b  ) (d  ).
(1997年まで、日本は脳死した成人でさえ臓器を提供することを禁止した。)

この年、ようやく脳死した成人からの臓器提供を認可する法律ができましたが、まだ子供からの提供は禁止されていました。子供には判断力がないというのがその理由です。しかし世界の潮流には逆らえず、今回、ついに子供からの提供を認可する法案が可決されました。

実施は2010年夏からの予定です。これでWHOが定める基準により近づいたことになります。しかし、まだ臓器を提供しやすい国の基準には遠いようです。

(3)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]
Japan still places more restrictions than some countries that consider (c  ) for organ donation the default in the absence of specific instructions that the body be left (i  ).
(体はそのままにして欲しいという特別な指示がない場合には、臓器提供に同意したものとみなす一部の国々に比べると日本にはまだ制限が多い。)

ところでこの文の理解は難しいですね。おそらくdefaultという単語の意味が難解なのだと思います。辞書には第一義として「(義務などの)不履行、怠慢」が出ていることが多いと思いますが、「初期値、デフォルト」という意味もあります。これはコンピューターでユーザーが変更を加える前にあらかじめ設定されている値です。この文で臓器提供への同意をデフォルトにするとは、提供への同意を基本にするということです。今回の法改正でも、提供には本人あるいは親族の同意が必要なので、日本は移植に関してはまだ消極的と言えるでしょう。

「海外渡航移植」を禁止し臓器の「自給自足」を求める世界的な潮流があります。移植を希望する日本人の受け入れを拒否する国もすでに出てきています。こうした流れが今回法改正が急がれた理由のようです。

 

正解:
(1)lifted / dearth
(2)brain dead
(3)consent / intact

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