歴史は不測の事態

アメリカで市民権を申請する移民に課される歴史のテストを、無作為抽出した一般のアメリカ人に受けさせたところ、なんと38%が不合格になりました。高校で必修科目になっているにもかかわらず、なぜアメリカ人はこんなに自国の歴史を知らないのでしょう。筆者によると、その原因は教科書にあるということです。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

The problem is that they are (b  ). In their efforts to be both comprehensive and politically correct, the author committees lose any notion of an overarching  (na    )structure.
(問題は教科書がつまらないということだ。包括的かつ差別的でないよう努める中で、執筆委員会は何よりも大切な物語性の構造という観点を見失っている。)

つまり、粗雑に書かれているのではなく、あまりに気を使い過ぎて小説が持っているような、わくわくした物語性が無いということです。

そもそも歴史なんてそんなものではないの、と思っている人もいるでしょう。しかし、フランクリン・ルーズベルト大統領が第二次大戦中に大統領でなかったらという事実と反する状況を背景に小説を書いたPhilip Roth氏によると、

(2)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

It’s the sense of (in  ) — whatever happened had to happen — that makes school history so (d  ).
(学校の歴史を非常に退屈にしているのは、起こったことは全て起こるべくして起こったという必然感である。)

そして、実際の歴史とは次のようなものだと言います。

(3)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]

When historic events are actually happening — as now in Japan and the Arab world – “the (unf  ) of the unforeseen is everything … The (t  ) of the unforeseen is what the science of history hides.”
(歴史的出来事が実際に起きている時には – 現在の日本やアラブ世界のように –「不測の事態が次々と明るみに出ることが全てです… 不測の事態の恐怖は歴史の科学では見えません。」)

我々日本人は今まさにその不測の事態の只中にいますから、Roth氏の言葉にはなるほどと納得させられます。

筆者は、アメリカ人が今享受している自由を得るために昔の人々が払った代償を正しく理解しておかないと、将来個人の自由が奪われるという不測の事態に直面するかもしれないと警告しています。

正解:
(1) boring / narrative
(2)inevitability / dull
(3)unfolding / terror

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