昨今、口蹄疫や鳥インフルエンザなど家畜を襲う伝染病が広がり、我が国でも多くの畜産業者が被害に会い、泣く泣く多くの家畜を殺処分している報道がありました。そんな中、家畜伝染病に対処する画期的方法が研究されています。
[空所A~Eを聴き取りましょう。]
Here researchers in Edinburgh are inserting an ( A ) into this embryo. And here’s the result — a ( B ) chicken which doesn’t spread bird flu.
(ここエジンバラでは研究者たちが人工遺伝子をこの胚に注入している。そして出来上がるのがこれ、鳥インフルエンザを広めない遺伝子組み換えニワトリだ。)
つまり、例えインフルエンザに感染しても他に移さない家畜を作ることによって蔓延を防ごうとしているわけです。( B ) に入る語句はその頭文字をとってGMとも言われ、遺伝子組み換えのことです。日本でもGMフードなどの名称でお馴染みです。今回は鳥インフルエンザに対抗できるニワトリを作っていますが、この方法は理論上どんな家畜のどんな伝染病にも適用できるそうです。
畜産業者にとっては朗報としか言いようがない気もしますが、遺伝子組み換えは拒絶反応を示す消費者がいることも確かです。ですから業者の態度も次のようにならざるを得ません。
In Europe, there’s been ( C ) to GM crops, which is why the poultry industry has given a ( D ) response to the prospect of GM animals.
(ヨーロッパでは、GM作物に対する抵抗があるので、養鶏業界はGM動物が実現しそうであることに慎重な対応を示している。)
さらに、ニワトリをぎゅうぎゅう詰めのブロイラーで飼うなど効率優先の無理な飼育のために伝染病が広まるのだと批判する、自然飼育を推進する畜産農家もいます。しかし一方で、人口が増加し食糧不足が加速する世界が存在します。
And despite ( E ), many scientists believe that GM animals will be needed to ( F ) a hungry world.
(そして不安はあっても、飢える世界に食糧を供給するには、GM動物が必要になると多くの科学者たちは思っている。)
ということで、この取り組みは今後さらに発展しそうです。GMニワトリに続いて、豚インフルエンザに強いGM豚の開発が検討されています。
秋期今週のbuildupは今回で終了です。次回は3月の中旬から再開予定です。
正解:
A: artificial gene
B: genetically modified
C: resistance
D: cautious
E: reservations
F: feed