無神論バスにのる

It’s the first mass marketing of atheism in Britain.
(それはイギリス初の無神論の大衆向け宣伝だ。)

it(それ)とは何を指すか想像できますか。新年は神社へ初詣に行き、教会で結婚式を行い、お寺で葬儀をしてもてもあまり気にならない日本人と違い、西洋の人々は宗教観を非常にはっきりと持つと言われています。どの宗教を信じるかというのも宗教観ですが、宗教を信じないとはっきり言うのもひとつの宗教観と言えるのではないでしょうか。

そのはっきりした無神論者の気持が、なんとバスの車体に表現されました。日本でもバスの車体広告はお馴染みですが、その車体広告に次のような文が載ったのです。

(1)[空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]
“There is probably no God. Now (s   ) (w   ) and enjoy your life.”
(おそらく神はいない。心配するのはやめて、人生を楽しもう)

という宣伝文です。このような宣伝が登場した背景は、

(2)[空所に入る適語を選びましょう。]
The Atheist Bus Campaign organizer, a young comedienne named Ariane Sherine, (    ) last June to several London buses swathed with biblical quotes placed by Christian fundamentalists.
(無神論バス広告を主催したのは、アリアン・シェリンという名の若いコメディアンで、昨年6月、ロンドンのバス数台がキリスト教原理主義者が掲示した聖書の引用に覆われたことに異義を唱えた。)
(A) lost face (B) made an example (C) passed the buck (D) took exception

この異義を唱えた文章が反響を呼び、有名な無神論者の賛同や20万ドルもの寄付金を得て、バスの宣伝が実現したというわけです。

これに対する宗教界の反応は、厳しいものだと予想されましたが、案外寛容な対応でした。

(3)[各空所に指定文字で始まる適語を1語入れましょう。]
“In a (s   ) post-cold-war world, where godless communism is said to be replaced by godless consumerism, a declaration of atheism is hardly a renegade position.”
(冷戦後の非宗教的世界では、神のいない共産主義に取って代わったのは神のいない消費主義であると言われ、神を信じないと宣言しても、背教的とはほとんど言えない。)

と、冷静です。加えて、これだけ無神論が広まっている現代社会では、キリスト教は社会の主流というより、逆にイエス・キリストが率いた初期のキリスト教のように反主流、反体制(counterculture)の立場で、教会にとってはチャンスであるとさえ言っています。

意見の違いを許容する成熟した社会になりつつあるのかもしれません。

 

 

正解:
(1)stop / worrying
(2)(D) took exception
(3)secular

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