宇宙の起源に関しては、現在ではビッグバン説が最も有力ですが、そのビッグバンを地球上で小規模に再現しようという研究はご存知ですか。100億ドルの費用と14年の歳月をかけてヨーロッパのCERN(欧州原子核研究機構)が今月世界最大の実験を行いました。
実験の段取りは次のようなものです。[音声を聴き取りましょう]
The plan : ( A ) around 27 kilometers, or 17 miles, of underground track at nearly the speed of light to ( B ) and recreate conditions less than a microsecond after the Big Bang.
このような状況で粒子同士をぶつけると、subatomic particles つまり原子レベルより小さな粒子の存在を確認する可能性があるのです。最も期待されているのがHiggs boson、通称、God particle と呼ばれる物質に質量を与える粒子で、理論上は存在することが分かっていますが、まだ確認されていません。その他、宇宙の大部分を構成していると考えられるdark energy や dark matter などの証拠も期待されています。
一方、宇宙の始まりをまねるなど、素人が考えても神をも恐れぬ行為という感じがします。現に、そんな実験をすれば、この地球上にブラックホールができるかもしれず、それに地球が飲み込まれたら一巻の終わりではないか、と反対する人々もいます。
しかし科学者たちは自信満々で[音声を聴き取りましょう]
Scientists say a ( C ) is possible but it would be ( D ), ( E ) in a matter of seconds.
と述べています。
その他費用がかかり過ぎるのも批判の的になっています。果たして、このような実験が何度も成功し、ついに宇宙の起源が完全に解明されれば、我々人類は神に並ぶ存在になるのでしょうか。
正解:
A: beam particles(粒子を放つ)B:smash them together(それらを互いに衝突させる) C:microscopic black hole(微小なブラックホール)D:too small and too unstable(あまりに小さく不安である)E: winking out of existence (消滅する)