医療の進歩が著しい昨今、注目されている医療技術のひとつにstem cell(幹細胞)を使ったものがあります。分裂後、最終的に肉体のどのようなパーツにもなり得るこの細胞は、アルツハイマー病を始めとする様々な病気の治療に使えると、大いに期待されています。ところがこの細胞を採取するには、胎児が必要で、人間の胎児を使うことの倫理性が議論されていることは皆さんご存知だと思います。
そんな中、今後需要が増える幹細胞を得る手段として、hybrid embryo(ハイブリッド胚)が登場してきました。このほど、このハイブリッド胚を作ることの是非がイギリス国会で討議され可決されました。
そもそもhybrid embryoとはどのようなものかというと、その製作過程は・・・・
A) The process involves [ ].
なのです。そして幹細胞を取ることが目的ですから
B) The resulting embryo is allowed to develop for 14 days [ ].
ということで、用無しになったembryoは捨てるので問題なさそうですが、議会では賛否両論が出ました。ある議員はフランケンシュタインの話を思い起こさせると発言しました。奇異な合成人間であるフランケンシュタインは、自分のことを軽蔑され打ち捨てられるみじめな存在だと言っています。一方賛成派は、動物の卵子を使えば貴重な研究材料を提供できると主張しました。
結局最後には、議員ひとりひとりが党議拘束を受けずに自分の良心に従って決断した結果、hybrid embryoの製造を認可する法案は可決されました。ところで、イギリス議会における法案可決の様子は面白いです。投票ではなく、声に出して「賛成」「反対」と言うのです。ちょっと音声で聞いてみましょう。ayeは「賛成」です。The ayes have it で「賛成多数により可決いたします。」です。
「賛成多数により可決いたします。」 The ayes have it.
正解:
A) emptying an animal egg and filling it with human cells
B) while stem cells are harvested before being destroyed