文法が分かるとはどういうこと?

145251(1)皆さんこんにちは。夏真っ盛りですが、いかがお過ごしですか。
今回は英語の文法についてお話ししたいと思います。

英語が分かるには単語と共に英語の構造、いわゆる文法が頭に入っている必要がありますが、文法というとどんなイメージをお持ちですか?

関係代名詞、分詞構文、不定詞等々、文法用語が頭に浮かんできそうですが、しかし、こうした文法用語を通して英語の構造を理解することが果たして文法が分かるということでしょうか?

次の文を見てください。
I like apples.

この文を、Iが主語で、likeが他動詞、applesがlikeの目的語で、applesはappleの複数云々、と解析して意味を取る人はまずいないでしょう。そんなことをしなくてもすぐに意味が取れるはずです。

次の文はどうでしょうか。
When I was born, I weighed 3 kilos.

最初の文より少し複雑になりますが、それでもwhen I was bornが従属節などといちいち考えなくても、「生まれた時、体重が3,000グラムだった」という意味は分かるでしょう。

この2つの文の意味がすぐに分かるということは、そこで使われている文構造が
しっかり頭の中に入っていることを示しています。これが文法が分かっているということです。たとえ文法用語を知らなくても、意味が正確に取れるということは文法が分かっているのです。

逆に、文法用語を使ってある文を理解しても、そこで使われている構造が本当に分かったとは必ずしも言えません。

次の文のofに注目してください。

“He was a Russian immigrant,” Jeffrey said of Morris Cohen.
(「彼はロシア系移民でした」とジェフリーはモリス・コーエンについて語った。)

このofは「~について」という意味でHeはMorris Cohenのことです。

それでは、以下の文を見てください。

“You can’t govern with bans,” said Angelo Bonelli, a member of Italy’s Green Party, of Mayor Alemanno.

同じof「~について」が使われていることにすぐに気づきましたか?
Angelo Bonelliはa member of Italy’s Green Partyで、彼がMayor Alemannoについて“You can’t govern with bans,”と述べた、という構図になります。Alemanno市長は禁止によって市を統治しようとしているわけです。
(「禁止で統治はできません。」とイタリア緑の党員Angelo BonelliはAlemanno市長について述べた。)

この文のofがすぐに見抜けなかったら、of「~について」の使い方は知っていても、実際には頭に定着していないということになります。読んですぐに正確に理解できることが文法が分かっているということです。

それでは、様々な文構造を頭に定着させるにはどうしたらよいのでしょうか?
答えはその構造を持つ文に数多く触れることです。文構造が複雑な場合、最初は文法用語を使って文を理解するのは全く構いませんが、それで終わらずに、同じ構造を持つ文に繰り返し触れることが必要です。

その際に注意していただきたいのは、同じ文を繰り返しても効果はあまりないということです。覚えているからです。上記のofの例の様に、同じ構造を持つ文を違った状況で触れること、これが非常に重要です。

最初一人では、同じ構造に触れていることに気付かないなど、難しい場合もあるかもしれません。そういう方にはちょっと手前味噌になりますが、当校にBuildupというコースがあります。ここで、こうした繰り返し学習をしていますので、興味のある方は覗いてみてください。1回無料で授業を見ることができます。160822(1)

それでは、良い夏をお過ごしください。またお目にかかりましょう。

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